[カンブリア宮殿]躍進するバルミューダの秘密(2017年10月19日 放送)

求められる「作品」 村上龍

村上龍の編集後記

大手家電とバルミューダは、規模では比較にならない。
だが、恐竜が絶滅したあと、君臨することになったのは、小さな哺乳類だった。
寺尾さんは、異色と評されることが多いが、会社・組織が個人を守ることを優先しなくなった時代、むしろ正統ではないだろうか。
新しい何かを生みだす人は、必ず協力者に出会う。
幸運なのではなく、出会うまで探し続けるからだ。
モノは余っている。消費者の需要をイメージするのはむずかしい。
それは、開発というより創造だ。
今後、家電は、製品ではなく、作品になっていくのかもしれない。

 

数年前から話題のバルミューダ
まだ一つも購入したことがないし、使ったこともない。トースターが販売され始めたころ、知人が購入して見せてもらったことがあったが、売り切れ続出で買いそびれてそのままだ。
うちの古ぼけたトースターも買い替えの時期だと思うので、候補の一つになっている。
今回の「カンブリア宮殿」を観て、その気持ちは強まるばかり。

視聴して思ったこと。
日本の白物家電は、中国や台湾のメーカーに押されていて風前の灯火とか。生活に密着していて無くてはならない家電を日本で大量生産していくのはもう時代にそぐわなくなってきた、ということなのだろう。
でもそれは、「最低限の生活を維持していくための家電」だ。
バルミューダ社長の寺尾さんのおっしゃる「モノを売るのではなく、体験を売る」というコンセプト。これは、これからの日本メーカーの主流になるような気がする。より生活を楽しくするもの、笑顔を咲かせるものを作り出すことが、他国のメーカーと差別化していくうえで重要であり、高度成長を終え成熟しきった日本が次に向かう方向なんだと思う。

私個人が家電等に求めることは、以下の通り。

  • 作りがシンプルであること。(過剰な装飾や機能は要らない)
  • 掃除や手入れがしやすいこと。
  • 壊れにくいこと。高品質であること。
  • デザイン性に優れていること。

これらをクリアしていたら高価格でも購入を検討すると思うし、同じように感じている消費者は多いのではないかと思う。これらの条件に合致しているバルミューダの商品に根強いファンがついている所以である。

それにしても過去に「消費者が求めていないから売れないのだ」と確信した寺尾社長の言う通り、消費者の購買意欲はとてもシンプル。「消費者の求めているものを作る」という難しい挑戦を続けているバルミューダをこれからも応援したい。