[酒井順子]裏が、幸せ。

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酒井順子さんのエッセイは「負け犬の遠吠え」以来、ほぼ全部買い揃えて愛読しています。
なんだろう。リズム感の良い文章と「ですます調」の文体。読んでいて気持ちが良い。そして、面白い。
1つの文庫本の中が、短い章からから成り立っているのも隙間時間を利用して読めるのでいい。

彼女の趣味の一つとして「旅」「鉄道」が挙げられていて、これらに関する書籍も多い。が、私自身、あんまり鉄道等に興味がないので、それらの書籍は購入に至っていなかったのだが、今回の「裏が、幸せ。」は気になっていたので発売日に購入。

私は本書で言うところの「表の人間(太平洋側在住の人間)」です。ずっと北陸方面に未知の憧れがあり、しかもこの表紙!
日本列島がひっくり返り、日本列島が上、ユーラシア大陸が下の構図。胸高鳴りました!カバーデザインした「鈴木成一デザイン室」最高だな!

なぜこう思うかというと、子供のころから歴史が好きで、大学も史学科に進んだ私。
確か大学受験の頃通っていた予備校の日本史講師に

「今でこそ東京が首都で、太平洋の向こう側にアメリカがあるから、太平洋側が『表日本』、日本海側が『裏日本』なんて呼ばれているけど、江戸時代前半までは、大陸や朝鮮半島ならびに東南アジア諸国との交易が盛んだったし、どう考えても日本海側の都市が日本の玄関口となっていた。日本海側の方が栄えていた!」

との説明を受け衝撃を受けたことがあり、今でも忘れられず、古代から近代にかけて、大陸の人たちと日本の人たちが行き来し、交流していた様を想像するだけで、ロマンを感じていたのでした。この表紙は日本列島と大陸がとても近く感じられ、想像力を掻き立てられるのです。

本書に中国大陸との関わりに関しての記述は出てこないのですが(笑)、「表と裏」「陽と陰」「演歌」「仏教・神道」「美人」「流刑」「文学」「政治」「鉄道」「観光」などの切り口で日本海側の地域に切り込んでいます。

特に「北陸」は「幸福度の高い地域」らしく、住みやすいのだそう。都会の生活に汲々としている身としては、羨ましい限り。しかも北陸の人はシャイな性格上「住みやすいよ!」なんてアピールしない。自分たちの環境の良さ、生活のしやすさをじっくり享受するのみ。それが都会に住むものへ「北陸の良さ」が伝わってこない理由らしい。

北陸新幹線も開通したことだし、ぐっと近くなった北陸。
今行ってみたい旅行先ナンバー1です。